今回は眼科でメガネの処方箋を作ってもらった時の話をします。
自分の経験談・失敗談も含め、メガネを作る際の注意点を5つ説明します。
その1:読書用・PC作業用のメガネなら度を弱くする
車用のメガネは5m以上先に焦点を合わせてメガネを作ります。信号や対向車がクリアに見える必要があるからです。
それを読書用(30cm)・PC作業用(50cm)に使うとどうなるか?
常時、近距離(30~50cm)にピンと合わせなくてはならず、尋常ではない目の疲れ(調節性眼精疲労)につながります。
かつて、車用のメガネ(視力1.2程度)で読書(視力0.6程度)に挑戦したのですが、5秒で諦めました。ピントが全く合いませんでした(汗)
メガネの使い分けは大事です。
読書やPC作業など、近距離の作業がメインの方はそれ専用の(度の弱い)メガネを作ることをお勧めします。
目の負担が少なくなり、快適な生活が送れることでしょう。
『読書用のメガネを作る予定です。35cmくらい離れた文字を見ます』などと具体的に伝えると、さらに良いメガネが作れるよ!
逆に、裸眼で車が運転できるくらい視力が良い人は、メガネで視力を調節した(=近距離に焦点を合わせるメガネを作る)方が眼精疲労軽減につながるそうです。
その2:車用のメガネなら度を強くする
運転時の視力に関して、大阪府警のHPに以下のような記述がありました。
左右それぞれの視力が0.3以上で、両眼の視力が0.7以上あること。 片方の視力が0.3に達しない場合は、よく見える方の視力が0.7以上かつ視野が左右150度以上あること。
実際には視力0.6~0.7程度(読書用・PC作業用の視力)だと、遠くはあまり鮮明に見えません。
車のスピードが上がるほど、実際の視力よりも見えにくくなるので、ギリギリの視力だと心許ない気がします。
また、夜は暗いので、目になるべく沢山の光を入れて見えるようにするために瞳孔が大きくなります。
瞳孔が大きくなると、光の角度が大きくなるので、網膜のピントが合わず、ボケやすくなります。
より強めの視力矯正が必要です。
運転用のメガネレンズは「遠くがはっきり見える」必要があります。そのため、日中の運転では視力1.0、夜間の運転では1.2の視力になるような度数のレンズが必要とされています。ただし、度数を強くしすぎると長時間の運転で目が疲れてしまい、瞬時の判断が鈍ってしまうリスクも考えられます。そのため、遠くをよく見えるようにするために度数を強くしすぎないことが大事なポイントです。
暗所でものが見えにくいと感じたことはありませんか?こうした見え方の変化を夜間視力と呼び、昼間より視力が低下するケースが一般的。矯正視力1.0程度のメガネの場合は、夜間視力が0.8程度になると言われています。
眼科や眼鏡屋さんで「運転時に使うメガネを作りたい」と伝えましょう。
その際、車種(乗用車・トラック・バス・電車など)や乗る時間(買い物程度・長時間運転など)も伝えれば、より適したメガネを作ることができるでしょう。
最近はドライブ用のレンズを選ぶことのできるメガネブランド(眼鏡市場・JINSなど)もあるようです。
その3:遠近両用レンズは人を選ぶ
「近いところも遠いところもよく見えると噂の遠近両用レンズを使えば、万事解決じゃないか!」と思うかもしれませんが、話はそんなに簡単ではありません。
遠近両用メガネには弱点があるのです。
ネット上からいくつか引用します。
遠近両用メガネは遠方から近方までの度数が詰め込まれているので、それぞれの視野が狭くなります。運転に必要な遠方の視野は、普通のメガネよりしっかり見える視野(視界)が狭いので、同じ感覚で運転すると少々危険です。
遠近両用メガネには、累進帯と呼ばれる度数が切り替わるポイントがあります。
累進帯が短いと視線を変えた時に急に度数が変わるため、歪んだり揺れたりと、見え方が安定しません。縦に長いレンズであれば累進帯も長くなり、見え方が安定するだけでなく視野も広がります。歪みなどを感じにくい見え方を求める人には、レンズが縦に長い天地幅が30ミリ以上のフレームがおすすめです。
簡単に言うと、「遠近両用レンズ」は上下・左右に歪みが出るので「メガネ酔い」という状態になる可能性があります。
僕は以前「遠近両用レンズ」を使ったメガネを作ったことがあるのですが、階段を降りる際にメガネ酔いの状態(=歪んで見える)になり、使うのをやめてしまった痛い思い出があります。
当時の遠近両用レンズは結構高かったなぁ(遠い目)
その4:乱視の有無に気をつける
ロート製薬さんのHPに「乱視」の定義がありました。
乱視とは、ものを見るときに焦点が1ヶ所に集まらない状態のことです。 網膜に焦点を結べないことで、文字やものが二重に見える、ぶれて見える、ぼけて見えるなどの症状が現れる原因となります。 人によって程度の差はありますが、厳密にいえば、ほぼすべての人の目に乱視があると考えられています。
僕は乱視なので、日々大変です。
3mくらい先でさえ大きくブレて見えるので、メガネなしでは出かけることすらできません。
乱視を矯正したメガネとそうでないメガネを両方持っていますが、やはり、乱視の矯正がないとその都度、目に力を入れて見る(or 勘で読む 笑)ので疲れます。
眼科で乱視の有無や度合いを調べ、乱視を矯正したメガネをかけることはストレスの少ない生活にとって大事だと思われます。
* 乱視をメガネで矯正するかどうかに関しては眼科で相談することをお勧めします。
その5:単焦点レンズにするか多焦点レンズにするか
手元を1箇所だけ見るのであれば単焦点レンズで良いと思います。
今回「35cmの距離の書類、65cmの距離のメインのモニター、85cmの距離のサブモニターと3箇所を見る」と相談したら「中近両用レンズ」を勧められました。
「中近両用レンズ」初挑戦です。
使ってみて、相性をチェックします。
「遠近両用レンズ」の時みたいに「眼鏡酔い」しないといいなぁ。
この手の試行錯誤は洋服同様、メガネでも必要なのですね。
眼科での診察結果
今回、検査してもらった結果、右目に乱視が強く出ていると言われました。
僕は両目とも乱視で、両目とも矯正すべきだと思っていたので、意外な発見でした。
眼科に行かなかったら気づけなかったでしょう。
今回作った【中近両用レンズ(=35cm~85cmに焦点を合わせた)】の処方箋はこんな感じです。
SPH(Sphere) | 球面度数CYL(Cylinder) | 円柱度数AXIS | 円柱軸Add | |
---|---|---|---|---|
【中間用】 | ||||
右目 | -2.50D | -1.00D | 95° | |
左目 | -1.75D | |||
【近用】 | ||||
+1.00D | ||||
+1.00D |
数値の前に「-」か「凹」があると近視、「+」か「凸」があると遠視、または老眼の程度を表している
表には記載がありませんが、 P.D. は 61.0mm でした。
P.D(瞳孔間距離)
左右の黒目の距離を表す数値です。
この距離を元にメガネレンズの中心に黒目が来るように調整することで、見やすいメガネとなります。平均値は男性は64㎜ 、女性は60㎜と言われてます。メガネを作る際はこのP.D.が1㎜でもズレてしまうと見え方が変わってしまいますので、一番重要です。
乱視について調べてみた
今回の処方箋では「円柱度数 -1.00D」「円柱軸 95°」と書かれていました。
これが何を意味するのか気になったので、調べてみました。
アットコンタクトさんのHPによると、
- 直乱視(角膜が横長の楕円形)→ AXIS180°
- 倒乱視(角膜が縦長の楕円形)→ AXIS90°
- 斜乱視(角膜が斜めの楕円形)→ 向きに合ったAXIS
僕は「倒乱視」に該当するようです。
「倒乱視」とは横方向に歪んで見える乱視のことだそうです。
倒乱視は、横方向にゆがんで見える乱視のことをいいます。 乱視表をみたときに、横のラインが濃く見えて、それ以外がぼやけて見えた方は倒乱視の可能性があります。 斜乱視は、斜め方向にゆがんで見える乱視のことをいいます。
「倒乱視」はこんな感じで見えるそうです。
あまりピンと来なかったので、さらに調べてみました。
CooperVisionさんのHPに分かりやすい画像がありました。
そうです!こんな感じです!
「倒乱視」の人はまさにこんな感じに見えています。
まとめ
今回の内容を振り返ります。
この記事がメガネを作ろうとしている人に役に立てば幸いです。
その1:読書用・PC作業用のメガネなら度を弱くする
近距離のものしか見ない場合は、度数が弱い方が疲れません。
最近はリーズナブルなメガネフレーム・レンズが増えてきたので、用途に応じて複数本持ち、使い分けましょう。
メガネは用途に応じて使い分ける時代に!
その2:車用のメガネなら度を強くする
運転時によく見えないと事故を起こしかねません。
「どの程度まで度数を強くしたら良いか」を眼科で相談するのが得策です。
眼科には視能訓練士という医療技術者がいるよ!いろいろ相談してみよう!
その3:遠近両用レンズは人を選ぶ
遠近両用(多焦点)レンズには相性があります。
合わない場合は、読書用・運転用と使い分けてみましょう。
合わない遠近両用(多焦点)レンズは取り外し、単焦点レンズに変えるのも勇気です。
その4:乱視の有無に気をつける
乱視の矯正に関しては眼科でアドバイスを受けることをお勧めします。
目の病気も含めて検査してもらうと安全です。
人間ドックは毎年受けるけど、目の検査は全くしないという方は意外と多いのではないでしょうか?
白内障が起こる確率は「60歳代で70%、70歳代で90%、80歳以上になると100%(先進会眼科のHPより引用)」だそうです。ちなみに自分の母親も白内障の治療をしました。
その5:単焦点レンズにするか多焦点レンズにするか
ある程度、メガネの用途を決めてから眼科に行きましょう。
メガネブランドのHPにレンズの違いが書かれています。
→ 「眼鏡市場」「JINS」「OWNDAYS」(「」の中の文字をクリックするとそれぞれのHPに飛びます)
僕は、途中で「中近両用レンズ」に変えたので、追加で検査することになり、診察時間が1時間20分くらいかかってしまいました(汗)
眼科の場合、度数を合わせてから10~15分くらい経過を見るので、変更するとその都度時間がかかります。
すでに中近両用レンズを入れたメガネは注文しました。相性はこれから確認します。合うといいなぁ。
今後の課題
今後は、市中のメガネブランドで「中近両用」+「乱視」のレンズを入れて比べてみようと思います。
候補は「眼鏡市場」「JINS」「OWNDAYS」の3社です。
レンズの値段・着用感(単焦点レンズと中近両用レンズの違い)・手順・接客の違いなどを記事にする予定です。
今後の展開もお楽しみに!
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